恵比寿は大黒とならんで,「福の神」の代表です。恵比寿という名前は,外国の人を意味する「エビス」から来ており,本来は異郷から来臨して人々に幸福をもたらすと信じられた神様です。
恵比寿の姿は釣り竿と鯛を持った福々しい姿をしていますが,その姿通り,漁村で最も広く信仰する神になっています。家々で恵比寿棚を設けてお祀りし,正月元旦には「トシダマ」として一文銭12枚を供えるなどしていたそうです。
また中部地方の農村では恵比寿が「田の神」として信仰されており,台所に農神として恵比寿を祀り,田植えの初苗を供えたり,1月と十月の二十日には恵比須講や恵比寿祭をしたりします。
ほかにも都市部では,福利をもたらす「市神」として,商人層から信仰されています。