片足神(かたあしがみ)

 「片足神」は一本足の妖怪の類いのもので,各地に言い伝えが残っています。

 東海地方のとある山には「ヒメンジョロウ」という妖怪が棲み,狩人の獲物を奪うと云われています。これは片足神で,山に紙緒の草履を履いていくと必ず片方とられると信じられていました。
 関西のある山には「イッポンダタラ」という片足の妖怪が棲んでいたと云われています。普通は人に危害を加えることはありませんが,12月20日だけは危険だといい,だれも通らなかったそうです。
 同じ関西のある峠では一本足の妖怪があらわれたといいます。その日は12月20日で,山の厄日とされました。
 四国のある場所では片足神を祀っていて,ここにお参りする時は足半草履を片方だけ寄進する風習があるそうです。