壺中(こちゅう)の天地(てんち)

 つぼの中の世界という意味で,俗世間とかけ離れた別天地や,酒を飲んで俗世間のことを忘れる楽しみを表わしています。

 後漢の費長官が市の役人をしていたとき,店先に壷を掛けて商売をしていた薬売りの老人が売り終わると壺の中に入ったのを見て,後日老人に頼んで壺の中に入れてもらったところ,立派な建物があり,美酒,嘉肴が並んでいたので,ともに飲んで出てきたという故事からできた言葉です。

  「壺中の仙」
  「壺中の天」
  なども同義です。