塞翁(さいおう)が馬(うま)

 人生では,災いがいつ福の因になるかわからず,福がいつ災いの因になるかわからないことを表わしています。

  「人間万事塞翁が馬」
  「禍福は糾える縄の如し」
 なども同義です。

 中国の北辺の塞に住む老人の馬が胡の地に逃げた。気の毒がる人々に,老人は「これがどうして幸いとならないでしょうか。」と言った。やがてその馬は立派な馬を連れて帰ってきた。祝いにかけつけた人々に,老人は「これがどうして災いとなりえないでしょうか。」と言った。二頭の間に良馬が生まれ,老人の子がその馬から落ちで足を折った。駆けつけた人々に,老人が「これがどうして幸いとならないでしょうか。」と言った。やがて胡の軍勢が侵入し,若者たちは戦って十人中九人まで死んだが,足を折った老人の子は不具のため戦わず,父子共々命長らえたという故事からできました。