近(ちか)い所(ところ)の手焙(てあぶ)り

 「手焙り」とは手をあぶるのに用いる小さい火鉢のことです。
 少し移動すれば暖かい場所があるのに,その労を惜しんで手近にある小さな手焙りで暖を取るという意味です。人はとかく楽をして手近なものを利用したがることや,目の前の小利を追いがちであることを表わしています。