「天神さま」は学問の神様として知られ,学業成就や入試合格に御利益があるとされています。これは天神が菅原道真を祀り,菅原道真が学才豊かな人であったことからきています。しかしもともと天神は菅原道真とは関係ありませんでした。
天神は古くは天上の神である「天津神(あまつかみ)」と考えられ,地上の神である「国津神(くにつかみ)」と対をなすものでした。
菅原道真は平安時代中期の学問や文化芸術,国史の編纂などで多くの功績を残しましたが,無実の罪をきせられ,九州の太宰府に左遷されてしまい,そこで亡くなりました。
道真の死後,都で落雷や突然死が相次ぎ,人々は道真のたたりだと恐れることになりました。そこで道真の霊を京都の北野に祀ることになりました。この北野には元々天神をお祀りしていた祠があったことから,天神と道真が深く結びつき,御霊信仰と結びついて発展しました。
その後京都の文人たちのあいだに,天神に対して文学詩歌の神としての信仰が興り,各地に普及していきました。