土用(どよう)

 「土用」は雑節の中の一つです。
 土用は一年に4回あり,立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間または19日間を指します。
 「土用」は元々陰陽五行思想からきています。五行である木・火・土・金・水を四季に当てはめ,春は木性,夏は火性,秋は金性,冬は水性としました。すると土性が当てはめられなくなりますが,この土性は春夏秋冬いずれにも含まれると考え,これを土用として四季に配当するようになりました。
 土用の期間中は「土公神(どこうじん)」が支配するといわれ,この期間中に土を動かしたり,門,井戸,竈などを修理することは凶事とされています。

 土用は年に4回ありますが,「夏の土用(立秋の前の期間)」には「土用干し」「土用波」などの言葉があり,人々の生活に縁が深いものとなっています。
 また「土用の丑の日(土用の期間中の丑の日)」にはウナギを食べる風習があります。昔から暑いときにウナギを食べる習慣はあったようですが,丑の日に食べるようになったのは,うなぎ屋に泣きつかれた平賀源内が,「本日,丑の日」と書き,店に貼ったところ大繁盛したからだとも云われ,また丑をひらがなで書くと,ウナギのように見えることからだとも云われています。