「二十四節気」は,昔の中国で作られた暦の一つで,約二千年前に作られた「前漢書律暦志」という暦本に初めて名前が現れました。
農業をする上で大切なことは季節を正確に把握することですが,月の満ち欠けから作られた太陰暦では,実際の季節との狂いが生じてしまいます。そこで太陽の動きから作った暦が「二十四節気」でした。
一年の中で,昼夜の長さが同じ日と,日照時間が最も長い日と最も短い日を基準として,一年を区切っていきましたが,昼夜の長さが同じ日を「春分」と「秋分」にして,昼の最も長い日を「夏至」,昼の最も短い日を「冬至」としました。そしてそれぞれの期間を6等分して生まれたのが,二十四節気です。
冬至の日が最も日が短く,それ以降は次第に昼が長くなるため,中国の漢の時代以前は冬至を一年の初めとしましたが,実際に農業をすることを考えると,ふさわしくないので,漢の時代から冬至と春分の中間の日である「立春」を一年の初めにしました。
二十四節気の名称は以下の通りです。
立春(りっしゅん)…新暦の2月4日前後
東風が寒さを和らげ,魚も川を上ってくる頃
雨水(うすい)…新暦の2月29日頃
陽気が地上に発し,雪や氷が雨水になる頃
啓蟄(けいちつ)…新暦の3月5日頃
陽気が地中に達し,冬眠していた虫が穴から
這い出してくる頃
春分(しゅんぶん)…新暦の3月21日頃
春の気が充満し,日脚が昼夜等分となる頃
清明(せいめい)…新暦の4月4日頃
大気が清らかで明るく,草木が生き生きと
する頃
穀雨(こくう)…新暦の4月20日頃
降雨が多く,田畑を潤し,イネの種下ろしの
好季となる頃
立夏(りっか)…新暦の5月5日頃
野山は新緑に覆われ,田圃では蛙が鳴き
始める頃
小満(しょうまん)…新暦の5月21日頃
万物の生気が充満し,果実の実りが多く,
草木の枝葉が茂る頃
芒種(ぼうしゅ)…新暦の6月5日頃
麦などの芒のある穀類を取り入れする頃
夏至(げし)…新暦の6月21日頃
一年中で最も日脚の長い日であり,陽気
盛んで梅雨がしきりに降る頃
小暑(しょうしょ)…新暦の7月7日頃
暑さがようやく激しくなる頃
大暑(たいしょ)…新暦の7月23日頃
暑さの絶頂期で,人みな炎暑に流汗淋漓
となる頃
立秋(りっしゅう)…新暦の8月7日頃
ようやく秋の気が立ってくる頃
処暑(しょしょ)…新暦の8月23日頃
陽気(炎暑)ようやくとどまる頃
白露(はくろ)…新暦の9月7日頃
陽気が退き,陰気が辺りに立ちこめる頃
秋分(しゅうぶん)…新暦の9月23日頃
秋季三ヶ月の真中に位置し,陰陽相半ば
する頃
寒露(かんろ)…新暦の10月8日頃
陰寒の気が充満し,白露変じて寒露となる頃
霜降(そうこう)…新暦の10月23日頃
秋もようやく深く,早朝には野山に薄い霜が
降りる頃
立冬(りっとう)…新暦の11月7日頃
陽の光も次第に弱くなり,日脚も目立って
短くなる頃
小雪(しょうせつ)…新暦の11月22日頃
寒風吹きすさび,遠い山の頂に雪が見える頃
大雪(だいせつ)…新暦の12月8日頃
降雪しきりで,冬将軍きたる頃
冬至(とうじ)…新暦の12月22日頃
夜が最も長くなる極点の日
小寒(しょうかん)…新暦の1月6日頃
寒風と降雪しきりとなる頃
大寒(だいかん)…新暦の1月20日頃
真冬で極寒の頃