盗(ぬす)みする者(もの)は
手(て)なき者(もの)に生(う)まる

 この世で盗みをした者は,次の世では手のないものとして生まれてくるという意味で,因果応報の恐ろしいことを表わしています。

 「手なき者」とは,犬や猫など人間以外の動物をさします。

   徒然草の第175段の中に次のような文言があります。
 「酒をとりて人に飲ませたる人,五百生が間,手なき者に生る」とこそ,佛は説き給ふなれ。
 「」の中の言葉は,梵網経の下巻に書かれているものです。
 これを比べると,窃盗より飲酒を強要するほうが罪深いようです。