八朔(はっさく)

 「八朔」は雑節の中の一つです。
 「八朔」は八月朔日(8月1日)のことです。旧暦では8月から秋になるので,この日に,イネの実りを祈願する「作頼(さくたのみ)」という行事が行われてきました。

 この日は徳川家康が江戸に入府した日でもあるので,幕府はこの日を「大礼の吉日」として大いに祝いました。そのため武家の間では盛んに贈り物をしました。とくに下役が上役に対して行い,民間でも門弟や弟子が親方や師匠に対して,金子(きんす)による謝礼や品物の贈答をしました。