臍(ほぞ)を噛(か)む

 「臍」とはへそのことです。
 返らないことを後悔することや,及ばないことを悔やむときに使う言葉です。

 「塵袋(ちりぶくろ)」は鎌倉時代に作られた百科事典のような書物で,その中身は仮名書きで,問答形式で書かれています。その書物の中に,以下のように書かれています。
 後悔するにはほぞをくふといふ事,其の説如何。
 うつぶきて,くはんとしれどもくはれぬは,へそなり。くやしき事をして,とりかへさんとすれども,かなはぬは,へそをくはんとするにをよばずしてくはれぬが如しとたとふる也。」