耳(みみ)を掩(おお)うて鐘(かね)盗(ぬす)む

 良心に反するようなことをしながら,強いてそれを考えないように努めることの意味です。うまく罪を隠したつもりでも,すっかり知れ渡っているということも表わしています。

 「耳を掩うて鈴盗む」ともいいます。
 「目を掩うて雀を捕らう」も同義です

 鐘を盗もうとした男が,鐘が大きすぎるので,割って持ち去ろうと,鎚で打つと大きな音がした。その男は,誰か他の者がその音を聞きつけて鐘を取りに来るのではないかと考え,急いで自分の耳を塞いで鐘の音が聞こえないようにしたという故事からできました。