道(みち)を守(まも)るは
      官(かん)を守(まも)るに如(し)かず

 道徳にかなった行いをしようとするならば,まず自分の官職を大切に勤めるのがよいという意味です。自分の役目を忠実に果たすことこそ道にかなった行いであるということを表わしています。

 中国の春秋時代,斉の君主が狩りを催した際,弓で虞人(狩り場の係の人)を招いたが応じなかったので,これを捕えさせたところ,「先代の殿様の狩りのときは,旗で大夫を,弓で士を,帽子で虞人を招くことになっており,今は帽子を見かけなかったので控えていたのだ。」と言った。これを聞いた孔子が評して言った言葉だと云われています。