山(やま)の神(かみ)

 山の神は,山に住む神で,山仕事をする者を守護すると云われており,様々な伝承があります。

 農村では,山の神は春に山から下って「田の神」となり,秋の収穫が終わると再び山の神になると云われています。しかし猟師や木樵など山で生計を立てる人は,山の神は田の神と関係がないと云われています。

 山の神の性別についても色々な伝承があるようです。
 猟師たちのあいだでは,武力によって神を助けた男神だとする話や,人が,女神である山の神の出産を助けたという話があります。また,山の神を「十二様」とよび,一年に十二人の子どもを産む女神だとする話や,木地師(ロクロを使って木を削り,椀や盆の木地をを作る人)のあいだでは夫婦神だと云われています。