犂牛(りぎゅう)の喩(たと)え

 評判の悪い家柄の生まれであっても,本人が立派な才能を持った人物であるなら,世間がこれを捨てておくはずがないということを表しています。そこから,名門の出でなくても,才能・力量さえあれば,必ず用いられるということも表しています。

 微賤の出身である仲弓のことを,孔子が牛にたとえて,まだら牛の子でも毛色が赤く角の形さえよかったら,犠牲(いけにえ)として神に供えることができると言ったという「論語」の故事から生まれた言葉です。