六曜六輝とは,暦に記載されている
「先勝」 「友引」 「先負」 「仏滅」 「大安」 「赤口」
を指し,単に「六曜」または「六輝」とも呼ばれます。
これは中国の宗の時代に誕生し,日本には室町時代に伝えられました。
室町時代に入ってきた当初は,現在のものは名前が異なり,吉凶の判断も単純なものでした。
大安(たいあん)または泰安(たいあん) ……吉日
留連(りゅうれん)または流連(りゅうれん),
立連(りゅうれん) ……悪日
速喜(そっき)または則吉(そっきち) ……善日
赤口(しゃっく)または赤舌(しゃくぜつ) ……悪日
小吉(しょうきち)または周吉(しゅうきち) ……幸日
空亡(くうぼう)または虚亡(きょぼう) ……悪日
上記の名称が次第に変化して,現在の名称になりました。
速喜,則吉 → 先勝
留連,流連,立連 → 友引
小吉,周吉 → 先負
空亡,虚亡 → 物滅 → 仏滅
大安,泰安 → 大安
赤口,赤舌 → 赤口
現在,神社本暦に記載されている六曜の解釈は以下の通りです。
先勝(せんかち,せんがち,せんしょう,さきがち)
諸事急ぐこと良し,午後より悪し。
友引(ともびき)
朝夕良し。正午悪し。葬式は忌む。
(この日,結婚式は「吉事に友を引く」という連想で良しと
されています。)
先負(せんまけ,せんぷ,さきまけ)
諸事静かなることによし。午後大吉。
仏滅(ぶつめつ)
万事凶。口舌を慎むべし。患えば長引くおそれあり。
大安(たいあん,だいあん)
移転開店等万事利あらざることなし。大吉日。
赤口(しゃっこう,しゃっく,じゃっこう)
諸事油断すべからず。用いゆるは凶。正午少し良し。
(「赤口」の赤が血を連想させるため,板前や大工など
刃物を扱う人にとっては要注意日とされています。)
この六曜は基本的には,
先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口→ ……
の順番で割り当てられますが,これにある仕掛けを組み合わせることで,順番の不確実性が付与されています。
その仕掛けとは,
陰暦1月1日は先勝
陰暦2月1日は友引
陰暦3月1日は先負
陰暦4月1日は仏滅
陰暦5月1日は大安
陰暦6月1日は赤口
陰暦7月1日は先勝
陰暦8月1日は友引
陰暦9月1日は先負
陰暦10月1日は仏滅
陰暦11月1日は大安
陰暦12月1日は赤口
この仕掛けがあることで,新暦のカレンダーを見ていると,突然六曜の順番が変化するため,神秘的な感じを受けます。しかしからくりを知れば,六曜とは何の意味もないものだということがわかります。